6世代に渡りその歴史を継承する家族経営の生産者。
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そんな彼らの歴史は古く、初代当主のアンリ・ブルニエ氏が、ベダリッド村の高原に畑を購入したのが始まり。平坦な土地が多いシャトーヌフ・デュ・パプの中でも標高が高い場所に位置するこの地は、土壌に小石が密集し強風が吹き荒れるため、耕作には向かない場所とされていました。しかし代々農家を営んでいた彼らはブドウを植樹し、厳しいテロワールとひたむきに向き合い、見事ブドウ栽培に成功。出来上がったワインは、誰もが予想しないほど素晴らしい出来ばえでした。 |
1940年代にはこの地でのブドウ栽培に興味を持つ人はほぼいませんでしたが、1950年代頃からワインのポテンシャルの高さが徐々に認知され、多くの生産者が参画。現在では、シャトーヌフ・デュ・パプきっての銘醸地として世界的高評価を獲得しており、ヴュー・テレグラフは、まさにこの地の先駆者とも言える存在なのです。
そして2015年以降、6代目となるフレデリック氏の息子のニコラ氏とダニエル氏の息子エドゥアール氏も加わり、創業時から続く、実直な畑仕事に重きを置いたワイン造りを継承。丁寧に栽培したブドウの個性を活かした彼らのワインは、一度飲んだら納得の、素直に美味しいと思える味わいが魅力。例年安定した品質を誇りながらも、コストパフォーマンスに優れ、手掛けるいずれのドメーヌでも「ワイン愛好家のためのワイン」というべき逸品を生み出しています。 |
テロワールを尊重し、
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「素晴らしいワインを造るには、畑仕事が90%。畑での作業に時間をかけ、醸造所ではできるだけ手をかけないことが重要。」と語るように、生粋のヴィニュロンであるダニエル氏がワイン造りで重視しているのは、テロワールを尊重し、その魅力を引き出すこと。畑の区画や樹齢ごとに細やかに別々のキュヴェを仕立て、それらを慎重にブレンドすることで、畑とブドウが持つ個性を表現することができるといいます。
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フィネスを湛える優美な味わいを生む、古樹のグルナッシュ。 |
そんなヴュー・テレグラフならではの、ブルゴーニュのピノ・ノワールを思わせるエレガントなスタイルは、彼らが代々受け継ぐ古樹のグルナッシュから生まれます。 土壌の特徴を味わいに色濃く反映する品種
高標で強風が吹き荒れるテロワールが生む凝縮感とバランス
古樹だからこそ得られる複雑味 そんなテロワールの恩恵を存分に受けられるのは、彼らのグルナッシュが長い年月をかけて地中に深くに根を伸ばしている古樹だからこそ。ラ・クローやピエロンの畑の平均樹齢は実に75年以上に上ります。「40年を超えた樹ほど複雑味や深みがあるブドウを生み出す。」とダニエル氏。古樹のグルナッシュは若木よりもアルコール感が低く、アロマの複雑さにフィネスやミネラル感、緑のようなニュアンスやスモーキーさなど複雑味をもたらし、ヴュー・テレグラフのスタイルに大きな影響を与えているのです。 |